■帯芯初心者・ビギナーの方へ
<日本の文化や和装のコト。これから、いろいろ知りたいあなたへ。>
こんにちは!
三河帯芯直販店は、愛知県岡崎市の「帯芯」の販売サイトです。
まずは帯芯ってなんだろう?っていうところから。
帯芯とは帯の芯として中に入れる布のことです。帯には、帯芯を入れるものと入れないものがあるのですが、芯をいれると帯がしっかりします。
帯芯には、厚いものや薄いものなとバリエーションも多岐にわたります。
どんな帯芯をチョイスするかで、帯の風合いがずいぶんとかわるんですよ。
<着物ライフを楽しもう>
普段着ているお洋服の場合は、大きくわけると夏服と冬服がありますので、6月と10月に衣替えをしてシーズンごとの装いを切り替えます。
着物の場合は、半そでや長そでがあるわけではないので、素材や仕立、帯小物等で変化をつけていきます。
季節の先取りが着物のコーディネートの基本なので、季節にあわせた着物や帯の種類や素材をおぼえていくと、粋な着こなしが楽しめますね!
<帯のこと>
着物の帯は、江戸時代のはじめ頃までは幅の細いもので、紐がつかわれることもあったようです。
その後平和な時代が続き、華美を競う時代の傾向にあわせて帯の大きさも長く、大きく、装飾が施されるようになりました。
そのため現在では、着物の帯にはさまざまな種類があります。袋帯とか名古屋帯などといった言葉を耳されたことはあるのではないでしょうか。
どんなものかイメージをつけておくと、帯芯との関係を理解して、自分らしい着物の着こなしにも役立つと思います!
<帯と帯芯のおはなし1 (袋帯)>
袋帯とは、表と裏の両面に模様がある丸帯を簡略化して、裏を無地にした帯です。模様がある表地と無地の裏地を合わせて仕立てています。
明治時代からつくられるようになりました。
むかしは袋状に織られていて、中に帯芯をいれて仕上げたのでこの名がつけられています。
厚くて豪華なので、礼装、盛装のフォーマルなシーンで使うことが多い帯です。お洒落着や、成人式の振袖に使うこともできます。
袋帯はしっかりとした厚みのある帯なので、ゆえに合わせる帯芯は薄いものになります。
当社でも、袋帯に合わせる帯芯としては、厚みがでる起毛加工を施さないものが主流です。帯芯全体の中でいちばん薄いカテゴリになります。
<帯と帯芯のおはなし2 (名古屋帯)>
名古屋帯とは、その名前のとおり愛知県の名古屋で考案されて全国に広まった帯です。
袋帯よりも軽く締めやすいのでカジュアルイメージがあります。
普段使いはもちろん、お洒落着ものまで幅広く楽しむことができる帯です。帯そのものが袋帯よりもうすいので、袋帯用の芯よりも厚みがあり、
しっかりとした帯芯が使われます。
当社の名古屋帯用の帯芯は、厚みを持たせ、帯とずれにくくするためにすべて起毛加工を施してあります。
<帯と帯芯のおはなし3 (半幅帯)>
文字通り半分の幅の帯のことを半幅帯といいます。浴衣の帯としてよく使われているものが、なじみがあるのではないでしょうか。
幅がはんぶんなので、いろいろな結び方をたのしむことができます。
半幅帯の帯芯は、仕上げたい帯の締め心地や帯の固さに合わせて、通常の幅の帯芯を半分に折って使ったり、帯芯を半分に切って使ったりします。
<帯と帯芯のおはなし4 (塩瀬帯)>
塩瀬帯は名古屋帯のひとつで、塩瀬羽二重の生地で作られた帯のことをいいます。
横糸に太い糸を使って織られているので、横糸が目立つのが特徴です。
軽くて締りがよくつるりとした風合いの生地なので、カジュアルな着こなしにフィットする帯です。また、一年を通して長く使うことができる帯です。
帯そのものが薄いので、帯芯には厚手のものが適しています。
当社でもこの塩瀬帯用の帯芯はかなり厚手の部類に入ります。もちろん、すべて起毛加工がしてありますよ。
<帯と帯芯のおはなし5 (夏帯)>
暑い夏の季節だからこそ、着物スタイルを涼し気にみせてくれるのが夏向けの「夏帯」です。
いろいろな織り方や、素材のものがあるのですが、共通しているのが、織りが粗くて生地がうすく、透け感があるところです。
夏帯に合わせる帯芯としては、夏帯ならではの涼やかさを大切にしたいので、起毛加工はせずに、帯と同じように目の粗い生地をつかっています。
通気性がよくて、夏に着心地がよい仕上げになっています。
<帯と帯芯のおはなし6 (踊り帯)>
踊り帯とは、その名前の通りに踊る際に使用する帯です。舞台衣装が舞台に映えるように華やかになるにつれてうまれた帯です。
そのため、踊りやすいように、軽くて動きやすい仕立てになっています。
また、踊り用だけではなく、カジュアルなシーンでも幅広くつかうことができます。
この踊り帯用としてよく使われる帯芯が、生駒です。当社でいちばん厚手の帯芯です。
この厚さの帯芯を通常の綿で作るとかなり高額になってしまうのですが、特紡とよばれている綿くずを集めて作った糸で作ることで、
これだけの厚さがあってもお値打ち価格を実現しています。
<帯のバリエーション1 (丸帯)>
丸帯は、もっとも豪華で格式が高い帯で、1枚の織物を半分に折って仕立てます。広幅の織物を丸ごと使うので「丸帯」なんですね!
仕上がりの倍の幅の織物が必要なので、できあがるまでに時間がかかります。高価で厚みがあって重たい帯です。
そのむかしは、帯は重いほどよいと言われていたのですが、今の時代の需要とはあわなくなってきているので、
帯芯をぬいて少しでも軽くして仕立て直すということも聞かれます。
自分で着付けることができないので、人に着せてもらうことが前提の帯です。
婚礼衣装や舞妓さんが使います。豪華にみえるので、七五三の子供用の帯には丸帯が使われていることがあります。
<帯のバリエーション2 (袋帯)>
表面も裏面も模様がある丸帯を簡略化して生まれた帯です。
本来は縫い目が出ないように袋状に織られた織物で仕立てられた、「本袋」がその名前の由来です。
現在のように表裏を別々の生地の両側をミシン縫いやかがり縫いした帯は「縫い袋帯」と呼ばれて区別されます。
今日では、一般的な袋帯は、織物の表に無地の裏地を縫い付けて作られた片側帯という仕立てになっています。
裏を無地にすることで、丸帯よりも軽くなっています。
そして丸帯とちがって自分で締めることができるメリットもあり、
丸帯がほとんど使われなくなった現在では、フォーマルな帯の主流は袋帯です。
華やかで豪華な柄がほとんどで、留袖・訪問着・振袖などの帯として使われます。
<帯のバリエーション3 (名古屋帯)>
名古屋帯とは、お太鼓に結ぶ部分だけを並幅にして他の部分を半幅に仕立てた帯をいいます。
愛知県の名古屋で発案されたのがその名前の由来です。胴に巻く部分を最初から半分に折って仕立ててあるので、
着付けにかかる時間を短縮出来るのが特徴です。主に小紋・紬などカジュアルな着物に使われます。
丸帯、袋帯は、お太鼓の部分が二重になる「二重太鼓」という締め方をするのですが、
名古屋帯はお太鼓が一重の「一重太鼓」という締め方をします。これも、着付けの時間の短縮につながっています。
「二重太鼓」の方がより格式が高くフォーマルなのですが、
弔事の場合「不幸が重ならないように」という意味で、
一重太鼓の方がふさわしいとされました。
多くの方が着物を着る機会は喪服としてという場合が多いことも、名古屋帯がより普及する要因にもなりました。
一重太鼓用の帯なので、長さは9尺5寸(約3m60cm)前後と丸帯・袋帯に比べて短くて、幅は8寸(約31cm)前後です。
<帯のバリエーション4 (名古屋帯 〜九寸名古屋帯〜)>
初心者の方だと帯についていろいろ迷っちゃいますね。今回ご紹介するのは九寸名古屋帯。
名古屋帯には九寸名古屋帯と八寸名古屋帯があります。
これは仕立てる前の織物の幅の違いで、仕立て後の帯の幅はどちらも8寸、約24センチです。
九寸名古屋帯は9寸幅の織物の両端を5分ずつ内側に折り込んで縫いしろとして、帯芯を入れて仕立てます。
帯芯を入れるので柔らかい生地で作ることができるので、塩瀬、縮緬、西陣織りなどが表に使われます。
そのため、フォーマル感が高い物が多いのが特徴といえます。
名古屋仕立てと呼ばれる、胴に巻く部分を半分に折って縫製する仕立てにされることが多い帯です。
手先から胴に巻く部分まで縫製されているためとても着付けがしやすいですよ。
<帯のバリエーション5 (名古屋帯 〜八寸名古屋帯〜)>
今回は、前回ご紹介した九寸名古屋帯に続いて八寸名古屋帯。
九寸名古屋帯とちがうところは、最初の織物の織幅そのままで、帯芯を入れずに端をかがって仕立てるところです。
芯をいれずに仕立てるので、紬地、綴れの帯、博多帯など織物自体がしっかりした厚めで硬いものが使われます。
そのため、カジュアルなものが多いのが特徴です。
かがり名古屋帯、袋なごや帯ともよばれています。ちなみに、使われはじめたのは昭和のはじめ頃からです。
この帯は、松葉仕立てとよばれる、手先部分だけを半分に折って縫製する仕立てにされることが多いです。
松葉仕立ての帯は、名古屋仕立ての帯の締めやすさには及ばないものの、
手先は縫製されているので、着付けがしやすく、しかも自分のこのみの幅に調整して巻くことができるのがポイントです。
<帯のバリエーション6 (京袋帯)>
ビギナーの方に「名古屋帯とどうちがうの?」とよく言われる京袋帯の紹介です。
京袋帯は仕立て方をさしていて、名古屋帯と同じくらいの長さ(一重太鼓用の長さ)で袋帯のような仕立てになっています。
名古屋帯ほどシンプルではなく、表と帯芯の相性にもこだわってつくれる帯です。
二重太鼓に締める袋帯より格式としては下になりますが、名古屋帯よりは格上の帯とされます。
正式な礼装には向きませんが、パーティーやお食事会などでのおしゃれをしたいときなどに幅広く使うことができる帯です。
名古屋帯が結べるなら、同じように京袋帯も結べますよ。
<帯のバリエーション7 (半幅帯編)>
帯のバリエーションはさまざまです。知識を深めて着物ライフを楽しみましょう!
半幅帯は、その名の通り通常の帯の半分の幅の帯です。ボリュームをださずにすっきりと結ぶことができる帯です。小紋・紬・浴衣などの普段着に使われるカジュアルな帯です。
近年の浴衣ブームによって、アレンジしやすいように長くなっている傾向もあります。
日常生活の中では、車や電車などの背もたれがある乗り物に乗る時などにも身体を動かしやすいので便利ですよ。
もっともっと帯のことを知りたくなりますね。
<知っておきたい、帯の結び方のこと!1 (二重太鼓)>
ビギナーの方だと帯の結び方についていろいろ迷っちゃう事がありますよね。ここを読んで勉強していきましょう!
二重太鼓に結ぶときには、主に袋帯を用います。ウエディングの留袖や訪問着、卒業式の振袖などの時によく使われる結び方です。もっともフォーマルなシーンにも通用します。
よろこびが重なって長く続きますように。という思いをあらわすので、慶事につかわれる結び方です。
江戸時代末期に誕生した結び方で、明治の終わりに広まりました。現在では、よく知られている帯結びを代表する結び方です。
和装の文化ってすてきですね!
<知っておきたい、帯の結び方のこと!2 (一重太鼓)>
一重太鼓は帯芯ビギナーさんがまず知っておきたい基本の結び方です。
一重太鼓を結ぶときに使う代表的な帯が名古屋帯です。喪服のときに帯の結び方としてよく使われます。不幸が重なりませんようにという思いを表すと言われ、主に弔事に使われます。
基本的な結び方で、初心者がまず初めに練習する帯の結び方です。結び方に込めた言葉の意味もありますが、短い時間で着付けをすることが出来る名古屋帯と一重太鼓結びという組み合わせが、何かと忙しい弔事に合って、それが定着したのではないかといわれています。
この結び方が出来るのが、和装を楽しむ第一歩ですね。
<知っておきたい、帯の結び方のこと!3 (文庫結び)>
今回ご紹介するのは、若い女性向けの結び方、文庫結びです。
文庫結びは振袖に使われる結び方です。江戸時代には武家の女性の基本の帯結びとされていました。こういった歴史もあって、格調高い結び方とされています。そのため、卒業式や成人式などの時によく使われる結び方です。
本来、年齢に関係なく使われる結び方ですが、現在では太鼓結びが年齢問わず誰もが使える結び方とされているのに対して、文庫結びは比較的若い女性の結び方と思われています。シーンや帯の素材を選ばず、手軽に結ぶことができることや、「蝶文庫」「しだれ文庫」などバリエーションもさまざまあるので、とても人気のある結び方です。
着物ってすてきですね。
<知っておきたい、帯の結び方のこと!4 (ふくら雀)>
帯の結び方をもっと深く知って、楽しみながらさまざまな着物の着こなしを覚えて楽しみましょう!
明治時代にはじまったとされているふくら雀は、振袖や訪問着の時に用いられる若い女子向けの帯結びです。
寒いときにに羽をふくらませて丸くなっている雀の姿をイメージした左右対称の結び方です。「福良雀」とも書けることから、福と繁栄を願う意味があるとても縁起のよい結び方とされています。そのため、お見合いや結納の場面でよく使われて来ました。皇室でも結納の儀にこの結び方を採用しています。文庫結びと同じく、さまざまなアレンジが考案されている人気の結び方です。
帯の結び方を知ると着物のことがもっとすきになりますね!
<帯芯の素材について>
初心者さんが帯芯を知る上で、覚えておきたい素材についてのお話です。
「帯芯」の材料は、綿、絹、ウール、麻、ポリエステルなどが主な材料です。
最近は、不織芯と呼ばれる、織物でない素材も使われるようになりましたが、基本の素材は織物なんですよ。
縦糸は基本は綿。そこに絹やウールなど、それぞれの素材を横糸として織り込んでいきます。 縦糸が綿である理由は、織り上がる帯芯材の強度や風合いのためですが、別の理由もあります。なぜでしょう? 織物工場で布を織る際に、横糸は途中で取替え・変更が可能ですが、縦糸は糸を使い切るまで取り換えられません。
縦糸まで取り換えて生産していたのでは、とても効率が悪くなってしまうのです。
とはいえ、綿の縦糸は、糸の太さの種類だけでも20〜30種ありますので、各素材との組合わせによって布のバリエーションはいろいろあります。
帯芯の世界って深いですよね!
<帯芯:素材別の特色(1)>
【綿芯】
綿(コットン)で作られた帯い芯です。
汗を良く吸います。通気性もよくて湿気がこもりがたいのが特色なんです。
メッシュ芯に次ぐ通気性の良さを持っています。
【ウール芯】
羊毛で作られた帯芯の特徴は摩擦力が強いこと。帯の中で芯が滑りがたいというメリットがありますよ。 起毛させた芯よりも格段に強い摩擦力があります。
虫がつきやすいので、きちんとケア・管理といったお手入れが必要です。
お値段は綿芯などと比べると少し高価です。
帯芯を知ると着物のことがもっと身近になりますね!
<帯芯:素材別の特色(2)>
【絹芯】
絹(シルク)で作られた帯芯です。
軽さが最大の特色。他の芯に比べ、金額はどうしても高くなります。
かつては日本国内でも養蚕が盛んでしたが、現在そのすべては中国産です。
【ポリエステル芯】
洗えるという事が大きな特徴の帯芯です。汗をかく時期に特に適しています。
洗えますので衛生的に使え、再利用もOKです。
シーンによって素材も使い分ける帯芯の世界。とっても奥深いですね。
<帯芯:素材別の特色(3)>
【不織芯】
マスクや紙オムツなどに使われてだいぶメジャーになってきた不織布を使った帯芯です。とにかく軽く、ボリュームがある点は、他の帯芯と明らかに違います。ただ、織物ではないため、強度はありません。ですから、使用頻度が高い帯の芯には向いていません。
数回の使用で、取り換えなくてはいけなくなったというお話も聞きます。
金額も他の芯と比べて特に安い訳でもありません。どうしてもボリュームが必要で使う回数が少ない帯には向いていますので、舞台衣装などで使われます。
<帯芯:素材別の特色(4)>
今回は、初心者というよりかなり玄人向けのお話です。「そんなこと知っているなんてスゴイ!」という内容ですよ。
【起毛芯】
針布という、金属針を巻いたローラーを回転させ、その上に生地を走らせることによって、生地を毛羽立たせて作ります。
摩擦力が強くなるので、帯の中で芯が滑り難くなります。
【真綿引き帯芯】
帯と帯芯の滑りを抑える方法としては起毛させるのが一般的ですが、帯芯に真綿を薄く引くことで滑りを抑える「綿引き」という仕立があります。
しかし、真綿を引くのはとても手間のかかる作業なため、今ではとても珍しい手法になりました。
塩瀬など、やわらかい染帯に使われることが多いです。
帯芯の世界って奥深いですよね。